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官公データで​企業リストを​作る​方​法|​法人番号・​gBizINFOを​無料で​束ねる​手順

企業リストは購入しなくても、国が無料公開している官公データを法人番号キーで束ねれば、基礎属性のリストを無料で自作できます(規約の作法を守れば商用利用も可能)。使う4つのデータ源(法人番号公表サイト・gBizINFO・EDINET・適格請求書公表サイト)の実仕様と5つの手順、ファイル形式・文字コードの選び方、名寄せ・鮮度維持のつまずきどころ、商用利用の規約の作法を、作る順番で整理します。

著者: 村山 悠太(ゴムマリ) 最終更新: 2026年11月

企業リストは、買わなくても作れます。国が無料で公開している官公データを、13桁の法人番号をキーに束ねれば、商号・所在地・資本金・従業員数といった基礎属性の企業リストを、無料で自作できます。規約の作法を守れば、商用でも使えます。この記事は、リスト購入の予算がないBtoB営業企画・マーケ担当に向けて、使うデータ源・ファイル仕様・手順・つまずきどころまでを、作る順番で解説します。

企業リストの​入手方​法は​3つある

有料DBを購読する、Webから手作業で集める、官公データを束ねる——の3つです。

有料DBは整ったデータをすぐ使える一方で月額費用がかかり、自社が欲しい列が揃っているとは限りません。手作業の収集は無料ですが、各サイトの利用規約の確認が必要で、品質のばらつきと工数が課題です。

3つ目の官公データは、無料で、規約の作法を守れば商用でも使えます。取れるのは基礎属性が中心で、名寄せと更新の手間がかかる——この向き不向きを知って選ぶのが出発点です。

使う​官公データ源は​4つ

4つの源は役割が違います。まず全体像を表で押さえてから、それぞれの実仕様を見ます。

データ源 取れる主な情報 ファイル形式 取得方法 更新
法人番号公表サイト(国税庁) 法人番号・商号・所在地(基本3情報) CSV(Shift-JIS/Unicode)・XML 全件/差分の無料一括DL、Web-API 全件は毎月、差分は日次
gBizINFO(経済産業省) 資本金・従業員数・届出/認定・財務・特許・補助金など CSV・API(JSON) 一括DL・REST API(要利用申請) 随時
EDINET(金融庁) 有価証券報告書等の開示情報・財務 XBRL・CSV・API API(要APIキー) 提出の都度
適格請求書公表サイト(国税庁) 登録番号・登録状況(法人/個人/社団の3区分) CSV・XML・JSON 全件/差分の無料DL、Web-API 全件は毎月、差分は日次

法人番号公表サイト(国税庁)が土台です。全法人(約580万法人)の商号・所在地・法人番号(基本3情報)を、全国一括または都道府県単位で無料一括ダウンロードできます。

ファイル形式と規模、列名のないCSVの読み方、差分データの使い方は法人番号公表サイトのCSVダウンロードと活用法に分けて整理しました。

gBizINFO(経済産業省)が肉付け役です。経済産業省が「500万社以上」の政府保有法人データを提供するサイトで、法人番号をキーに資本金・従業員数などの法人基本情報から届出/認定・財務・特許・調達・補助金・職場情報までを引けます。REST API(現行v2.0)と情報種別ごとの一括ダウンロードがあり、いずれも事前の利用申請でトークンを取得してから使います。使い方の詳細はgBizINFOの使い方に整理しています。

EDINET(金融庁)は財務の補完です。有価証券報告書等の開示書類は、サイトでの閲覧・取得なら登録不要で、APIによる機械取得にはAPIキー(登録制)が必要です(キーなしのリクエストは拒否されます)。対象は開示義務のある企業に限られます。

適格請求書発行事業者公表サイト(国税庁)は登録状況の確認用です。登録番号は「T」に続く13桁の半角数字です。検索画面のスクレイピングは規約で禁止されており、全件ダウンロードかWeb-API経由で取得します。全件データは法人・人格のない社団等・個人事業者の3区分に分かれて提供されます。

詳細は適格請求書発行事業者の公表データ活用へ。

手順は​5つ——​小さく​作って​一巡させる

  1. 範囲を決めるいきなり全国・全業種を狙わず、1業種・1都道府県で小さく始めます。ここで先に知っておくべき制約が1つあります。

    法人番号公表サイトの基本3情報には業種の列がありません。業種で絞るのは、都道府県単位で落とした後にgBizINFO側の情報で行う、という順番になります。

  2. 土台を落とす法人番号公表サイトのダウンロードページで対象都道府県を選び、ファイル形式を選んでダウンロードします。Excelでダブルクリックして開くならShift-JIS版、プログラムやBIツールで処理するならUnicode版が目安です。

    ファイルはzip圧縮なので解凍してから使います。規模感は、全国全件でzip約239MB(CSV・Shift-JIS版。Unicode版は約253MB)、1都道府県なら数MB程度(北海道で約10MB)です。

    全国全件はファイルが大きい場合に分割提供されることがあります。

  3. 絞り込む所在地などで対象を絞ります。この時点で取れているのは基本3情報だけで、業種も規模もまだありません。

  4. 肉付けする法人番号をキーにgBizINFOで資本金・従業員数などを足します。数千件までなら法人番号ごとにAPIで引くのが現実的です。全件を一括で落とすこともできますが、基本情報ファイルは非圧縮で1GBを超えるため、扱う環境を選びます。

  5. 補完して維持する必要に応じてEDINET・適格請求書公表サイトで補い、差分(日次)を取り込む更新運用(後述)を決めます。

つまずきどころは​名寄せと​鮮度

手順そのものより、運用が本体です。第一に名寄せ。手元の顧客リストと官公データを名前で突き合わせると、表記ゆれと同名他社で破綻します。結合キーは必ず法人番号にします。手順は法人番号で名寄せする方法に分けて整理しました。

名寄せの前段で引っかかるのが文字コードです。法人番号公表サイトのShift-JIS版はJIS第一・第二水準までで、第三・第四水準の文字は「JIS縮退マップ」で置き換えられ、縮退先がない字はアンダーバーになります。旧字を含む社名が化ける・潰れるのはこれが原因で、原字が要る場合はUnicode版を選びます。

第二に鮮度。移転・商号変更・閉鎖は日々起きます。

法人番号公表サイトは全件データを毎月更新し、これとは別に日次の差分データを提供しています。適格請求書公表サイトも同様に、全件は毎月・差分は日次です。

全件を一度落としたら、以降は差分だけを継いで追うのが基本の運用です。適格請求書の差分は過去40日分しか置かれないため、間隔を空けると取りこぼします。

手元の営業リストに混ざった閉鎖・移転・重複を洗い直す手順は営業リストのクレンジング実務にまとめています。

規約の​作法——​守れば​商用でも​使える

  • 出典を表示すること
  • 法人番号のWeb-APIを使ったサービスを公開する場合は、所定の情報取得元の明示文(国税庁法人番号システムのWeb-API機能を利用した情報であり、内容は国税庁が保証したものではない旨)を表示すること
  • 適格請求書公表サイトの検索画面をスクレイピングしないこと
  • 個人事業者の氏名は個人情報として扱うこと

この4点が主な作法です。

適格請求書の全件・差分データでは、個人事業者のデータに限り氏名等の項目が削除された状態で提供されます(法人の名称・所在地は提供されます。詳細は適格請求書発行事業者の公表データ活用へ)。各サイトの規約は要約せず原文を確認してから使ってください。

自力の​限界——​官公データに​載っていない​列

官公データで作れるのは基礎属性のリストまでです。営業が当たり先を選ぶために本当に知りたい列——担当部署・保有設備・いま抱えているニーズ——は官公データには載っておらず、ここから先は1社ずつ調べる世界になります。基礎リストまで自力で作り、その先の「調べる」を外に出すという分担も選べます。複数のデータ源を順に当てて欠けた列を埋める設計はウォーターフォールエンリッチメントにまとめています。

次の​一歩

まず、狙う1業種・1都道府県を決めて、上の5ステップを一度通してみてください。どこに手間がかかり、どこから先を任せたくなるかが見えます。

基礎リストの先——貴社の欲しい列に合わせた調査つきのリスト——が必要な場合は、営業リスト作成を成果物単位で提供しています。相談から、業種・地域・欲しい列を教えてください。

関連記事: gBizINFOの使い方/法人番号公表サイトの全件データ活用/「次にどこへ行くべきか」を受注実績から導く/官公需情報ポータルサイトAPIの取り方と活用法/DX認定企業の一覧をCSVで取る方法と活用法

この記事を書いた人

代表 村山悠太のポートレート

村山 悠太(ゴムマリ代表)

ワークスアプリケーションズで大手企業向けERPの営業と導入を担当し、外資系SaaS企業と国内大手放送局で販路と新規事業の立ち上げ、AI学習用データを扱うAIスタートアップ2社でマーケティングと営業を担った。2024年10月から生成AIの実装に入り、いまは大手企業の現場で、AIエージェントを要件定義から運用まで手がけている。

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FAQ

よく​ある​質問

官公データは本当に無料で商用利用できますか?

できます。法人番号公表サイトはPDL1.0(公共データ利用規約)準拠、gBizINFOは政府標準利用規約2.0準拠で、いずれも出典表示を条件に商用利用可と明記されています。gBizINFOのAPI・ダウンロード利用は事前申請と申告した目的の範囲内という条件が付きます。

官公データで業種を絞った企業リストを作れますか?

法人番号公表サイトの基本3情報だけでは作れません。業種の列がないためです。都道府県単位で土台を作り、gBizINFOで肉付けした後に業種で絞る流れになります。gBizINFO側での絞り込みはgBizINFOの使い方に整理しています。

Web-APIとダウンロード、どちらを使いますか?

全件はダウンロード専用で、法人番号のWeb-APIでは全件取得はできません。数千件の個別照合や差分の自動取り込みはAPI向きです。ただしAPI利用に必要なアプリケーションIDの発行には2週間から1か月程度かかるため、使う予定があれば早めに申請します。

官公データからの企業リスト作成はExcelだけでできますか?

対象が数千件までなら表計算で一巡できます。都道府県全件(数万〜数十万行)を扱う段階で、表計算の手作業は物量的に苦しくなります。

企業リストの鮮度はどう保ちますか?

全件データを一度取り込み、以降は日次の差分データを継ぐ運用をルーティンにするのが基本です。取り込み頻度は週次でも構いませんが、まず「差分で追える仕組み」を持つことが本体です。この更新の手間こそがリスト運用の本体です。

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