ホーム / ナレッジ / 法人番号公表サイトの全件データ活用|約580万法人のCSVを営業リストの土台にする
国税庁の法人番号公表サイトでは、全法人の基本3情報(商号・所在地・13桁の法人番号)をCSV/XML形式で無料一括ダウンロードできます。全件データ(前月末時点・毎月更新)と差分データ(日次・過去40日分)の取得手順、CSVの実際の列構成、Web-APIの3機能、営業リストの土台・名寄せキー・移転閉鎖検知という3つの使いどころ、PDL1.0準拠の規約条件を、公式資料の実確認をもとに解説します。
著者: 村山 悠太(ゴムマリ) 最終更新: 2026年7月
国税庁の法人番号公表サイトは、日本の全法人の基本3情報——商号又は名称・本店又は主たる事務所の所在地・13桁の法人番号——を、無料で一括ダウンロードできる官公データです。公表件数は約580万法人(令和7年12月末時点の公表値・丸め表記)。企業リストを自作するときの母集団は、ここから始まります。この記事は、営業リストの整備を自力で進めたい営業企画・マーケ担当に向けて、ダウンロードの実際・取れるデータの中身・3つの使いどころを、公式資料で確認できる範囲で解説します。
ダウンロードは公表サイトの「基本3情報ダウンロード」ページから行います。全件データは、全国分または都道府県・国外の単位で選べます。全国分の1ファイルは大きいため、地域を絞るなら都道府県単位が扱いやすいです。ファイル形式はCSVとXMLの2種類、文字コードはShift-JISとUnicodeの2種類で、実際に提供されるのは「CSV・Shift-JIS」「CSV・Unicode」「XML・Unicode」の3通りです。ファイルはzip形式で圧縮されており、解凍して使います。ファイルサイズが大きい都道府県は、複数ファイルに分割されています。全件データは前月末時点の情報で、月末に作成され翌日0時までに提供されます。月末が休日・祝日または12月29日から31日にあたる場合は、直前の平日に作成されます。会員登録も費用も不要です。
全件データのファイルは、営業担当が普段開くExcelより桁が大きいです。令和8年6月末更新分では、全国のCSV(Unicode)が圧縮状態で約253MB、CSV(Shift-JIS)が約239MB、XMLが約360MBあります。解凍すればさらに膨らみます。東京都だけでもCSVは2ファイルに分割されており、表計算ソフトの行数上限を超えることが珍しくありません。まず1都道府県から始める、集計はデータベースやスクリプトで扱う、という前提で設計するのが現実的です。
取れるのは基本3情報(商号・所在地・法人番号)と、登記の変化にまつわる情報です。資本金・従業員数・業種・売上・部署・担当者は含まれません。つまりこのデータ単体では営業リストになりません——全法人を漏れなく並べた母集団であり、そこへ他の源から属性を肉付けして初めて絞り込めます。肉付けの定番はgBizINFOです。
CSVを開いても、項目名の見出し行がありません。各列が何を意味するかは、公表サイトが配布する「リソース定義書」で対応づけます。主な列は、一連番号・13桁の法人番号・処理区分・更新年月日・変更年月日・商号又は名称・法人種別・国内所在地(都道府県/市区町村/丁目番地等)・都道府県コード・市区町村コード・郵便番号・登記記録の閉鎖等の事由・承継先法人番号などです。商号は全角150文字、所在地は都道府県から丁目番地等まで合わせて300文字が上限で、超えた分はイメージファイル側にあります。法人種別はコードで持ち、株式会社は301、特例有限会社は302、合同会社は305のように区分されているため、組織形態での絞り込みや除外に使えます。
商号や所在地にJIS第一・第二水準以外の文字(外字)が含まれる場合、その文字はテキスト列には入らず、代わりにイメージIDが設定されます。Shift-JIS版を選ぶと第三・第四水準の文字が落ちるため、文字化けを避けたい場合はUnicode版を選ぶのが無難です。公表サイトは、第三・第四水準を第一・第二水準へ置き換える対応表(JIS縮退マップ)も配布しています。
全件データを毎月まるごと取り直すのは重いため、更新の追跡には差分データを使います。差分データは日次で作成され、16時頃に提供されます(処理状況により遅れることがあります)。休日・祝日と12月29日から1月3日は作成されません。公表サイトで遡れるのは過去40日分です。1日分のzipは数百KB程度と軽く、毎日取得して積み上げれば保有リストの更新に使えます。各行には処理区分のコードが入っており、01は新規指定、11は商号又は名称の変更、12は国内所在地の変更、21は登記記録の閉鎖等、71は吸収合併を表します。このコードで、新設・移転・商号変更・閉鎖・合併を機械的に仕分けられます。
自社システムから動的に取得したい場合は、Web-APIも用意されています。方式はRESTで、機能は「法人番号を指定して取得」「取得期間を指定して取得」「法人名を指定して取得」の3つです。法人番号は一度に最大10件、取得期間は最大50日まで指定できます。ただしWeb-APIで全件データを取得することはできません——全件が必要ならダウンロードページを使います。利用にはアプリケーションIDが必要で、発行は無料ですが2週間から1か月程度かかります。取得件数が2,000件を超えると応答が分割されるため、分割番号を繰り上げて再送する処理が要ります。バージョンは1.0から4.0まであり、2.0で英語表記、3.0でフリガナ、4.0で検索対象除外の情報が加わります。
有料DBの収録範囲はベンダーの編集方針に依存しますが、法人番号公表サイトは全法人です。「そもそも対象地域に何社あるか」から出発でき、収録漏れという概念がありません。所在地には都道府県コード・市区町村コードが付いているため、地域での絞り込みを機械的に行えます。
顧客リストの重複統合・表記ゆれ解消は、名前ではなく13桁の法人番号をキーにすると壊れません。リソース定義書でも、データの取り込み時の名寄せや不要データの識別に都道府県コード・市区町村コードを活用すると効率的だと案内されています。具体的な手順は法人番号で名寄せする方法に整理しています。
日次の差分データを保有リストと突き合わせれば、動きがあった会社を機械的に拾えます。処理区分21(登記記録の閉鎖等)で、閉鎖した会社への無駄打ちを止められます。閉鎖の際に承継先法人番号が入る合併もあり、その番号をたどれば消えた会社の受け皿もわかります。
公表サイトのコンテンツは、デジタル庁の公共データ利用規約(第1.0版、PDL1.0)に準拠した条件で、出典を記載すれば商用利用できます。出典の記載例は「出典:国税庁法人番号公表サイト(国税庁)(当該ページのURL)」です。データを編集・加工して使う場合は、出典とは別に加工した旨も記載し、国が作成したかのように見せることは禁止されています。Web-API機能を使ったサービスを公開する場合は、「このサービスは、国税庁法人番号システムのWeb-API機能を利用して取得した情報をもとに作成しているが、サービスの内容は国税庁によって保証されたものではない」という趣旨の文言の明示が必要です。利用前に規約原文を確認してください。
ダウンロードにいくらかかりますか?
無料です。会員登録も不要で、都道府県単位のCSV/XMLをそのまま取得できます。Web-APIのアプリケーションID発行も無料です。
このデータだけで営業リストになりますか?
なりません。業種・規模の列がないため絞り込めません。母集団としては全法人・無料・毎月更新と強力ですが、絞り込みにはgBizINFO等での肉付けが必要です。
個人事業主は含まれますか?
含まれません。法人番号は法人に付番される制度のため、個人事業主は対象外です。個人事業主を含めたい場合は適格請求書発行事業者公表サイトが補完になりますが、個人の氏名は個人情報としての扱いが必要です。
全件データと差分データはどう使い分けますか?
最初に全件データで母集団をそろえ、以降は差分データを日次で積み上げて更新します。全件を毎月取り直す運用も可能ですが、差分のほうが軽く、変更の中身(新設・移転・閉鎖・合併)も判別できます。
Excelで開けますか?
件数の少ない県なら開ける場合もありますが、件数の多い都県は表計算の行数上限を超えます。全国分は分割ファイルでもExcel単体では扱いにくいため、データベースやスクリプトでの処理を前提にしてください。
まず対象の1都道府県の全件CSVをダウンロードし、手元の顧客リストと法人番号で突き合わせてみてください。重複・閉鎖・移転がどれだけ混ざっていたかが、リスト整備の分母になります。全体の手順は官公データで企業リストを作る方法へ。自社での構築が難しい場合は、ターゲットリスト作成とデータ整理・名寄せを成果物単位で提供しています。相談からどうぞ。
国産大手ERPベンダーで新卒からERPのエンタープライズ営業・プリセールス・導入コンサル、外資系SaaSでパートナーセールス部門の立ち上げ、国内大手放送局で新規事業開発(通販カタログ事業)、AIスタートアップ2社でビジネスサイドの要職を歴任。2024年10月から生成AIを自ら実装し、2025年にゴムマリ株式会社を設立。
現在は自らAIエージェントを実装するFDE。評価セット設計・専門家監修・Go/No-Go判定、CRM・会計・社内DBとの統合、減った時間の実測まで一貫します。要件から、運用まで——AIエージェントが、現場で成果を出す仕組みを。