gBizINFOとは、経済産業省が運営する、法人番号をキーに政府保有の法人情報をまとめて引ける無料の官公データサイトです。ブラウザ検索は今すぐ使え、REST APIと一括ダウンロードは申請制です。この記事は、企業リストの整備を予算をかけずに進めたい営業企画・マーケ担当に向けて、絞り込み条件・API仕様・ダウンロードの実体・取れる情報の出どころ・規約の注意点までを一巡で解説します(2026年7月時点の公開仕様に基づきます)。
gBizINFOは、国税庁「法人番号公表サイト」で公表される法人基本3情報(法人番号・法人名・本店所在地)を土台に、各府省が保有する情報を紐づけて提供しています。サイトには「500万社以上の政府保有法人データ」と記載されています。
項目区分は、法人基本情報・財務情報・決算情報・届出/認定情報・表彰情報・特許情報・調達情報・補助金情報・職場情報・ESG情報です。注意点は、すべての項目がすべての法人で埋まっているわけではないことです。各項目は府省ごとの届出・公表・開示に基づくため、項目により収載率が異なり、資本金や従業員数が空欄の法人も残ります。空欄は「データが存在しない」という情報であり、それらしく補完しないのが正しい扱いです。
トップページの検索窓に法人名または13桁の法人番号を入れると、該当法人の登録情報が一覧できます。2026年1月のサイト更改でフリーワード検索も実装されています(経済産業省の案内ページ)。商談前に1社を確かめる用途なら、申請なしでこの検索だけで足ります。
詳細検索では、条件を組み合わせて法人を絞り込めます。実際に使える主な条件は次のとおりです。
トップページには「よく使われる検索条件」として「DX認定関連」「従業員数1万人超の法人」がワンクリックで用意されています。規模や認定でセグメントを切る発想は、この既製条件から掴めます。
数百社以上をまとめて処理する場合は、REST APIか一括ダウンロードを使います。現在公開中のAPIはバージョン2.0(v2)です。
APIは2種類の役割で構成されます。1つは、指定した条件に合致する法人の「法人番号を検索する」API。もう1つは、指定した法人番号の法人活動情報(法人基本情報・届出/認定情報・表彰情報・財務情報・特許情報・調達情報・補助金情報・職場情報)を取得するAPIです。手元のリストに法人番号が付いていることが前提になるため、付いていない場合は先に法人番号での名寄せを済ませます。
利用開始の流れは3段階です。
APIには安定運用のための利用制限があります。アクセス頻度・リクエスト数・通信量に上限が設けられることがあり、短時間の過度なアクセスはアクセストークンの一時停止や取消しの対象になります。制限回避のために複数トークンを取得する行為は規約で禁止されています。また、更新期間を指定してデータを取得する期間指定検索API(v2の /v2/hojin/updateInfo)は、2025年12月6日以降の期間しか指定できません(それより前の期間はエラー応答となり、過去分はダウンロード機能で取得します)。
一括ダウンロードは、登録されている最新の法人情報を情報種別の単位でまとめて取得する機能です。ダウンロードにはアクセストークンが必要で、取得できる種別は基本情報・届出/認定情報・表彰情報・補助金情報・調達情報・特許情報・財務情報・職場情報・法人情報(一括)・決算情報です。ダウンロード時に、文字コード(UTF-8かShift-JIS)とメタデータ出力の要否を選び、ZIP形式で受け取ります。
ファイル形式と更新頻度は種別で異なります。基本情報・届出/認定・表彰・補助金・調達・財務・職場情報はCSVで日次更新、法人情報(一括)はJSONで日次更新です。一方、特許情報はCSVで年次更新、決算情報はXMLで月次更新です。鮮度を前提に使うなら、日次更新の種別と年次・月次の種別を分けて扱うのが実務です。全件を土台にリストを組み立てる手順は官公データで企業リストを作る方法に整理しています。
gBizINFOの各項目は、府省の別々のサイトから収集されています。出どころを知ると、どの列が埋まりやすく、どの列が空きやすいかの見当が付きます。
財務・決算がEDINET由来である点は実務上重要です。EDINETは有価証券報告書等の開示システムで、対象は上場企業などの提出義務企業が中心です。そのため、非上場の中小企業では財務・決算が空欄になるのが通常で、これは不備ではなくデータの成り立ちどおりの状態です。
なお、法人名にJIS X 0213の範囲外の文字が含まれる場合、gBizINFOは文字情報基盤を使って範囲内の文字に縮退して表記します。取得したデータが一般の情報機器で文字化けしにくいのは、この処理のためです。
gBizINFO単体でリストを作るより、国税庁の法人番号公表サイト(全法人の商号・所在地・法人番号、約580万法人)を土台にし、そこへgBizINFOで資本金・従業員数・届出認定などを肉付けする使い方が基本形です。土台側の詳細は法人番号公表サイトの全件データ活用に整理しています。
具体的な使い方を2つ挙げます。
gBizINFOのコンテンツは政府標準利用規約(第2.0版)に準拠し、商用利用も可能と明記されています。守るべき条件は次のとおりです。第一に、利用時は出典(「Gビズインフォ」(経済産業省)と当該ページのURL)を記載すること。第二に、編集・加工して使う場合は、その旨を出典とは別に記載し、国が作成したかのような態様で公表しないこと。第三に、外部データベースとのAPI連携等で取得しているコンテンツや、第三者が権利を持つコンテンツは、その提供元の利用条件に従うこと。加えて、API・ダウンロードの利用は「申請時に申告した目的の範囲内」に限られます。実際の利用前に、規約の原文を確認してください。
商用利用はできますか?
政府標準利用規約2.0に準拠し、出典記載を条件に商用利用が可能と明記されています。ただしAPI・ダウンロードは申請時に申告した利用目的の範囲内という条件が付くため、申請内容と実際の用途を一致させてください。
従業員数や資本金はどのくらい埋まっていますか?
項目により収載率が異なります。届出・公表ベースのデータのため、全法人では埋まりません。「埋まらない企業がどれだけあるか」を先に確かめてから使途を設計するのが実務の順番です。
財務データが空欄の会社が多いのはなぜですか?
財務・決算情報はEDINET由来で、対象は有価証券報告書等の提出義務がある上場企業などが中心だからです。非上場の中小企業で空欄になるのは、データの成り立ちどおりの状態です。
APIの申請は難しいですか?
申請フォームからの手続きで、完了メールに記載のURLからAPIトークンが表示されます。難しさよりも、利用目的の書き方が肝心です。用途を狭く書きすぎると、あとで目的外利用の問題になります。
データの鮮度はどのくらいですか?
種別で異なります。基本情報や財務、職場情報などは日次更新、特許情報は年次更新、決算情報は月次更新です。日次で動く種別と、年に一度しか動かない種別を分けて扱うのが安全です。
まず、手元の営業リストに法人番号が付いているかを確認してください。付いていれば、gBizINFOで肉付けする準備はできています。自社での構築が難しい場合や、官公データに載っていない列(保有設備・体制・ニーズ)まで揃えたい場合は、ターゲットリスト作成を成果物単位で提供しています。相談から、目的と欲しい列を教えてください。
国産大手ERPベンダーで新卒からERPのエンタープライズ営業・プリセールス・導入コンサル、外資系SaaSでパートナーセールス部門の立ち上げ、国内大手放送局で新規事業開発(通販カタログ事業)、AIスタートアップ2社でビジネスサイドの要職を歴任。2024年10月から生成AIを自ら実装し、2025年にゴムマリ株式会社を設立。
現在は自らAIエージェントを実装するFDE。評価セット設計・専門家監修・Go/No-Go判定、CRM・会計・社内DBとの統合、減った時間の実測まで一貫します。要件から、運用まで——AIエージェントが、現場で成果を出す仕組みを。