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FDE(Forward Deployed Engineer)を名乗って AI の導入の支援を売る国内の会社のうち、公式サイトの説明を読めた40社を調べた調査の詳細です。米ガートナーが指摘する「FDE washing」を受けて、頼む前に確かめたい10の項目ごとに公式サイトに書く会社の数と、判定の基準、調べ方を載せています(2026年10月)。

この記事でわかること
FDE(Forward Deployed Engineer)を名乗って AI の導入の支援を売る国内の会社のうち、公式サイトの説明を読めた40社を調べました。米ガートナーは2026年9月の発表で、forward deployed が導入やコンサルティングの呼び名にも使われ、コンサルティングが FDE として売られる「FDE washing」の危険が増していると指摘しています。
国内でも、FDE のサービスのページを読めた33社のうち13社は、担い手をエンジニアと呼ばないか、主なプランで提供する側が開発すると書いていませんでした。FDE は名前だけでは何を頼めるかが分からないため、当社は、ガートナーの発表と IPA・経済産業省の契約の指針から、頼む前に確かめたい10の項目を整理し、項目ごとに公式サイトに書く会社を数えました。作った物の権利や渡し方を書く会社は5社、契約期間の縛りや区切りを書く会社は14社にとどまりました。
以下に、国内の40社の説明の中身、10の項目ごとの社数と判定の基準、調べ方を載せます。
FDE は、提供する側のエンジニアが顧客の中に入り、作り、本番の業務まで届ける働き方の名前です(働き方の詳しい説明はFDE(Forward Deployed Engineer)とはにまとめています)。
米ガートナーは2026年9月29日の発表で、多くの提供者が forward deployed を、導入、プロフェッショナルサービス、ソリューションエンジニアリング、AI コンサルティングの呼び名として使っていると指摘し、「“FDE washing,” where consulting services are marketed as FDE」(コンサルティングが FDE として売られる「FDE washing」)の危険が増しているとしています。同じ発表で、2028年までに企業の70%が、提供する側の FDE が作ったエージェント型 AI を、費用が膨らみ、自力で進化させられずに手放すと予測しています。
FDE を名乗る国内の40社のうち、FDE のサービスを説明するページを読めたのは33社で、残る7社はお知らせや発表の文でしか FDE の語を確かめられませんでした。33社のうち8社は、担い手をエンジニアと呼ばず、コンサルタントや専門家などと呼んでいました。5社は、主なプランで提供する側が開発すると書いておらず、その内訳は、顧客の社員が作るのを支える伴走や助言が2社、既製の道具の設定が1社、自社の製品の導入が2社です。どちらかに当たる会社は13社でした。
| サービスのページを読めた33社の説明 | 社数 |
|---|---|
| 担い手をエンジニアと呼ばない(コンサルタントや専門家などと呼ぶ) | 8社 |
| 主なプランで、提供する側が開発すると書いていない | 5社 |
| うち、顧客の社員が作るのを支える伴走や助言 | 2社 |
| うち、既製の道具の設定 | 1社 |
| うち、自社の製品の導入 | 2社 |
| どちらかに当たる | 13社 |
自社の製品を顧客ごとに設定する形は、FDE の元になった Palantir の形でもあります。伴走の2社は、作る形を別のプランや別の見積もりで書いています。
40社全体では、業務を聞く人と作る人の関係を書く28社のうち、同じ人が聞いて作ると書くのは20社、聞く役割と作る役割を別の人や別のチームに分けると書くのは8社です。
現場に入ると書く37社のうち、常駐か週1日以上入ると書くのは10社(物理の訪問かは問わない)で、27社は月に数回の訪問か、頻度を書いていません。料金を公式サイトに載せる会社は40社のうち12社(1社は確かめられなかった)でした。月額で読めた8社の、各社の最も低いプランの月額は20万円から60万円の範囲でした(各社が示す料金の下限で、相場や実際の取引の金額ではありません)。
ガートナーは同じ発表で、FDE の取り組みの成功は、範囲・動機づけから、統治、作った物の持ち方、出口までの取り組みの組み立てを正しくすることから始まるとし、契約の前に、成果物、引き継ぎ、知的財産権、移行や出口の責任を決めておくよう勧めています。当社はこれに、IPA・経済産業省の「情報システム・モデル取引・契約書」(第二版)と、経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン AI編」「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を合わせ、頼む前に確かめたい項目を10に整理しました。表の右の列は、40社のうち、その項目を公式サイトに書いていた会社の数です。
| 確かめたいこと | 数えた書き方 | 社数 |
|---|---|---|
| 1. 何を作るか | 開発すると書く | 31社 |
| 2. 誰が業務を聞き、誰が作るか | 聞く人と作る人の関係を書く | 28社 |
| 3. その料金で、週何日、どこで入るか | 週1日以上入ると書く | 10社 |
| 4. 頼む側は、誰の時間とどのデータを用意するか | 頼む側に求めることを書く | 7社 |
| 5. 何人が、どの役割で付くか | 体制を書く | 20社 |
| 6. 何をもって終わりとし、効いたとするか | 効果の測り方を書く | 20社 |
| 7. 頼む側のデータを、どこで誰がどう扱うか | データの扱いを書く | 18社 |
| 8. 最低何か月からか、段階ごとや月単位で続けるかやめるかを決められるか | 最低期間か区切りを書く | 14社 |
| 9. 作った物の権利は誰のものか、終わった後に持ち出せるか | 作った物の権利や渡し方を書く | 5社 |
| 10. 作った後に誰が動かし、抜けた後に頼む側で直せるか | 引き継ぎを書く | 21社 |
| 運用・保守を書く | 19社 |
作った物の権利が頼む側にある、または頼む側の資産として残ると書くのは3社で、作った物を渡すと書く会社を含めても5社でした。このうち1社は、提供する側の既存の資産や汎用の部品は提供する側に残すと併せて書いていました。契約期間は、最低契約期間を書く会社が8社、段階ごとや月単位で続けるかを決められると書く会社が7社(重なり1社)です。どちらも書いていない会社が多く、見積もりの場で確かめる必要があります。
各社の説明に次のことが書いてあれば、その項目を「書いていた」と数えました。迷ったときは、書いていない側か、FDE の元の形(提供する側のエンジニアが顧客の中に入り、作る)から遠い側に数えています。
FDE は名前だけでは何を頼めるかが分からないため、当社は、10の項目を見積もりの前に書面で確かめることを勧めます。公式サイトに書かないことは、その会社が決めていないことを意味しません。書いていない項目は、頼む側が見積もりの場で聞いて確かめる必要があります。中でも次の3つは、作る物が決まりにくい AI の開発で、後から費用と手間に響きます。
1つ目: 何をもって終わりとするかを、成果の内容と水準まで数字で決める
2つ目: 段階ごとに、続けるかやめるかを決められる形にする
3つ目: 作った物の権利と、抜けた後に頼む側で直せるかを、一組で決める
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年10月31日(一覧・記事・発表・検索で会社を集め、各社の公式サイトを読み、判定と集計を行った日) |
| 調査機関 | 自社調査(ゴムマリ株式会社) |
| 調査対象 | FDE の比較・一覧の記事、PR TIMES の発表、ウェブ検索で FDE を名乗る会社として挙がった国内の会社79社と、AI の伴走支援などの語で見つけた会社から、各社の公式サイトで FDE の語を使ってサービスを案内していると当社が確かめた43社(当社は含めない)。このうち説明を読めた40社を数えた |
| 有効回答数 | 調査対象が人ではないため該当なし(読めた会社: 40社、選んだページ: 77ページ) |
| 調査方法 | 頼む側が契約の前に確かめる項目を、Gartner の発表(2026年9月29日)、IPA・経済産業省「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)〈第二版〉」、経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン AI編」(平成30年6月)と「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(令和7年2月)から拾い、OpenAI・Anthropic・Palantir の FDE の説明(顧客の中に入り、作り、本番に届ける・自社の製品を顧客ごとに設定する)と合わせて14の項目にした。このうち担い手の呼び方は2つ目の項目に含め、運用・保守と引き継ぎは10番目の項目にまとめ、請負か準委任かと本番まで運ぶかは項目に使わず、10の項目にした。各社の公式サイトのうち、FDE を名乗るサービスのページと、同じサイトでそのサービスを説明するページ(料金・進め方・事例・よくある質問)を1社あたり1〜5ページ(合わせて77ページ)を選んで読み(サービスのページが見つからなかった会社と探していない会社は、FDE の語が出る自社のお知らせ・発表のページを読んだ)、項目ごとに説明に書いてあるかを、AI(大規模言語モデル)で別々の呼び出しで2回判定した。迷ったら、書いていない側か、元の形から遠い側にする決まりで判定した。作る物・担い手・現場の3項目は、そのサービスの主たるプランの説明で読んだ。作る物と現場の判定の基準は、43社から無作為に選んだ10社で試して直してから判定した。2回の判定の一致(カッパ係数)は、数に使った12項目で0.813〜1.000で、食い違った22件と、2回の判定がそろっていても判定の基準と合わなかった14件は、当社が本文を読んで決めた。1つの項目(業務を聞く人と作る人)は1回目の一致が0.743だったため、判定の基準の文を直して2回判定し直した。料金は、判定とは別に、各社の公式サイトをトップから自動でたどって金額の表記を探し、金額があった会社は当社が公式のページで金額の表記を確かめた。月額で読めるかと各社の月額の下限は、当社が各社の表記を読んで決めた |
公式サイトの説明に書いてあるかを数えたもので、各社が実際にどう働き、どう契約しているかは見ていません。説明に書いていないことを、その会社が決めていない・していないとは言えません。
読んだのは FDE を名乗るサービスの説明のページで(16社は1ページ)、利用規約のページは読んでいないため、作った物の権利や契約期間を利用規約や見積もり・契約書でだけ示す会社は「書いていない」側に数えられています。43社のうち7社は FDE の語が自社のお知らせ・発表にだけ出ていて、その文で読んだため、説明が短く「書いていない」側に数えられている可能性があります。長い説明は1社15,000字までを読み、5社は後ろのページの一部か全部を読んでいません(選んだ77ページのうち2ページは読めていません)。
43社は、一覧・記事・発表・検索で見つけ、公式サイトで FDE の名乗りを確かめられた会社で、FDE を名乗る国内の会社のすべてではありません。3社は、本文がページを開いた後に読み込まれる作りで読めず、数えていません。
提供する側が作った物を本番の業務まで運ぶかも同じ方法で判定しましたが、2回の判定が安定しなかったため、数に使っていません。
料金は各社の表記のまま(税込・税別をそろえていない)で、「〜から」の下限を含みます。相場や実際の取引の金額ではありません。
当社も FDE を名乗るサービス(AI実装FDE)を提供しています。当社のサービスは調査の対象に含めていません。見解に挙げた当社の案件は、公開済みの導入事例と、顧客を特定できない形にした未公開の案件です。
出典:各社の公式サイト、FDE の比較・一覧の記事、PR TIMES の発表(いずれも2026年10月31日に取得)、Gartner の発表(2026年9月29日)、IPA・経済産業省「情報システム・モデル取引・契約書(受託開発(一部企画を含む)、保守運用)〈第二版〉」、経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン AI編」(平成30年6月)・「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(令和7年2月)、OpenAI・Anthropic・Palantir の FDE の求人と説明(2026年10月24日に取得)をもとにゴムマリ株式会社作成
本調査の結果やグラフを引用される際は、出典として「ゴムマリ株式会社調べ」と記載のうえ、このページ(https://gomumari.com/knowledge/fde-chosa-2026/)へのリンクをお願いいたします。
本調査についてのお問い合わせ、または、AI の導入を、どの業務をどう変え、何を作るかから決めたいご相談は、対象の業務と今の体制を添えてお問い合わせいただくと、進め方を具体的にご案内できます。
当社の FDE のサービス(お客様の現場に入り込み、AI エージェントを作る)の進め方と料金は、AI実装FDEに載せています。
ワークスアプリケーションズで大手企業向けERPの営業と導入を担当し、外資系SaaS企業と国内大手放送局で販路と新規事業の立ち上げ、AI学習用データを扱うAIスタートアップ2社でマーケティングと営業を担った。2024年10月から生成AIの実装に入り、いまは大手企業の現場で、AIエージェントを要件定義から運用まで手がけている。
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