満足度調査やアンケートの自由記述は、点数と違って自力では読み切れず、ファイルに溜まりがちです。この記事は、自力でできる範囲とその限界、全件分析を外注する場合の判断基準と相場(2026年6月時点)を、約1万件を全件分析した実例とともに整理します。読み手は、調査を毎年取っているのに自由記述まで手が回っていない実務者・決裁者です。
判断に効く情報ほど、点数ではなく自由記述の側に埋まっています。満足度調査は毎年実施され、データは蓄積されている。けれど自由記述まで全部を読む人手はなく、集計済みのスコアを眺めるだけになりがちです。「データはあるのに、判断に使えていない」状態です。読まないまま次の調査が来て、また積み上がります。
単純集計やクロス集計だけで足りるなら、自力で十分やれます。表計算ソフトの集計機能で点数の分布や属性別の差は出せますし、件数が少なければ自由記述も目で追えます。集計だけを安く済ませたいなら、後述する時間課金の集計代行が最も安い選択肢です。
自力が苦しくなるのは、自由記述が数千〜数万件あり、それを同じ基準で最後まで読み解く必要が出てきたときです。担当者が手で読むと、最初と最後で判断の物差しがずれ、途中で力尽きます。キーワードを拾うだけでは「なぜ」が抜け落ちる。ここが、人手で続けるには重い工程です。
調査結果が「眺める数字」から「次の打ち手の根拠」に変わります。AIエージェントを使い、自由記述を含む全件を、最初から最後まで一つの基準で分類・要因分解する。点数の集計にとどめず、「どこで・何が・どれだけ」満足と不満を生んでいるかまで分けていきます。
実例があります。ある大手機械メーカーでは、毎年の顧客満足度調査が集計止まりで、自由記述は読み切れていませんでした。そこで自由記述を含む約1万件を全件、同じ基準で要因分解し、どの要因が満足と不満をどれだけ動かしているかを切り分けたうえで、改善の打ち手の提案と経営層向けサマリまでを報告書にして納品しました。分析で見えた課題を起点に、その後は同じ業務をエージェントで回す段階への接続が進んでいます(事例の詳細)。ご担当者の「毎年取っているのに読み切れていなかった自由記述が、初めて全部『使える情報』になった」という言葉が、その変化を端的に表しています。
判断の分かれ目は「集計までで足りるか、要因分析と提言まで欲しいか」です。下の表で当てはまる側を選べます。
| 自力でやる | スポットで外注する | |
|---|---|---|
| 向く状況 | 件数が少ない/単純集計で足りる/社内に分析担当がいる | 自由記述が数千〜数万件/要因まで分解したい/経営に出す形が要る |
| かかるもの | 担当者の時間 | 費用(成果物単位) |
| 残るもの | 社内に集計の手順が残る | 報告書と、要因分析の型 |
次のうち2つ以上に当てはまるなら、外注を検討する段階です。
集計だけなら時間課金の集計代行が最安で、テーマと成果物がはっきりしている調査分析は、人月契約で買う必然性がありません。費用の水準は、スポット委託でおおむね30万〜150万円が公開相場です。依頼の仕方ごとの料金は出典つきで別記事にまとめています(データ分析の外注費用まとめ)。
溜まっている調査が1つあるなら、まず1件から試せます。
1件・一度分の調査だけでも頼めますか。 頼めます。まず溜まっている調査を1つ、スポットでお試しいただくのが、効果を確かめる一番早い方法です。
料金はいくらで、追加費用はありますか。 30万円〜で、固定価格・事前提示です。データ整備に手間がかかる場合も着手前にお見積もりし、後出しの追加費用は出しません。
着手から納品まで、どれくらいかかりますか。 一度分の調査で、おおむね1週間です。データの量や整備の状況で前後します。
データが整理されていなくても依頼できますか。 形式がバラバラ・欠損があっても依頼できます。整備の手間が費用に影響するため、現状のまま一度ご相談いただくのが早いです。
自由記述のような文章も分析の対象になりますか。 なります。点数の集計だけでなく、文章を含めて要因まで分解するのが、この依頼の主旨です。
機密や個人情報を含むデータでも頼めますか。 秘密保持を前提に対応し、必要に応じて個人を特定できない形に加工してから扱います。
溜まっている調査データを、要因分析と提言つきの報告にして返します。業務データ分析レポートは、生データを渡すだけで30万円〜・1週間で納品します。一度分の調査から試せます。
次の一歩として、外注費用の内訳を詳しく見るならデータ分析の外注費用まとめ、自由記述ではなく問い合わせやレビューの分類を自動化したいならVOC分類・分析もあわせてご覧ください。
国産大手ERPベンダーで新卒からERPのエンタープライズ営業・プリセールス・導入コンサル、外資系SaaSでパートナーセールス部門の立ち上げ、国内大手放送局で新規事業開発(通販カタログ事業)、AIスタートアップ2社でビジネスサイドの要職を歴任。2024年10月から生成AIを自ら実装し、2025年にゴムマリ株式会社を設立。
現在は自らAIエージェントを実装するFDE。評価セット設計・専門家監修・Go/No-Go判定、CRM・会計・社内DBとの統合、減った時間の実測まで一貫します。要件から、運用まで——AIエージェントが、現場で成果を出す仕組みを。