課題
顧客満足度調査は毎年実施され、データは蓄積されている。しかし自由記述を含む全件を読み切る人手はなく、集計済みのスコアを眺めるだけになっていた——「データはあるのに、判断に使えていない」状態でした。
やったこと
現地で業務とデータの背景を確認したうえで、AIエージェントで全件を分析。スコアの集計にとどまらず、自由記述を含めて「どこで・何が・どれだけ」満足と不満を生んでいるかを要因分解しました。
難しかったこと
集まっていたのは、満足度の点数ではなかった。 台帳は不満と要望が大半を占める改善課題の記録で、満足の水準を測る設計ではありませんでした。スコアの代わりに読むと結論を誤るため、このデータで何が言えて何が言えないかを先に定義し、報告書の冒頭に置きました。
区分の付け方が、記録した人によって変わる。 評価の区分は記録者ごとの判断で入力されており、不満と要望の境界は一定ではありません。当社で区分を作り直すと日々の運用と合わなくなるため、集計は台帳の記載どおりに行い、揺らぎがある前提を注記として残しました。
多い少ないを比べるには、分母が要る。 対象ごとに声の数を並べても、接点や納入の多いところほど多く拾われます。台あたりに直す材料がその場になかったので、順位は傾向としてのみ扱うと断ったうえで、分母を持つ仕組みの整備を提言側に回しました。
納品物
要因分析と提言をまとめた報告書一式。経営層への報告資料まで仕上げて納品しました。
その後
分析で見えた業務課題を起点に、業務のエージェント化(仕組みとして回す段階)への接続を進めています。
同じ型が効く業務
「自由記述は毎年たまるのに、読み切れないまま次の回が来る」状態は、製造業に限りません。当社の経験では、小売やサービス業の顧客アンケート、コールセンターの応対記録、会員サービスの解約理由など、記述式の回答が定期的に積み上がる業務が同じ形になります。
この案件で効いたのは、分類の枠を新しく作る前に、いま使われている区分が何を測っているのかを確かめたことでした。データの性質を取り違えたまま集計すると、件数が多いほど誤った結論を強めます。何と比べるかを決めてから数えたほうが、報告は判断に使われました。
毎年アンケートは取っているのに、自由記述は量が多くて読み切れず、結局スコアを眺めて終わっていました。今回は全件が「どこで何が起きているか」という形に整理されて返ってきました。経営会議にそのまま出せる資料になっていたのが、いちばん助かった点です。
— ご担当者 お客様の声
