課題
月1回の営業会議の事前資料では、拠点ごとの市場の動きの欄を、各拠点の責任者が日報を読んでまとめていました。実績の数字も資料に載せていました。
お客様からは、日報の中身を踏まえて、全体の市場の動きが分かるまとめがほしいというご要望がありました。一方で、拠点の責任者のまとめは月に一度の振り返りを兼ねています。そこで、このまとめは残し、Notion AI のまとめと並べて差を議論できる形を目指しました。
やったこと
1. 日報と商談を、毎日 Notion へ入れる
Salesforce の日報の市場の動きと話題の項目と、取引先・商談のデータを、Notion Workers(Notion の上で動くプログラム)で毎日同期しました。
同期では、Salesforce で消した日付や数値を Notion からも消しています。その作り方は、Salesforce から Notion への同期で消した値が残る理由に公開しました。
2. 拠点ごとの市場の動きを、Notion AI にまとめさせる
Notion AI への指示書(まとめ方を書いたページ)に、全体の市場の動きから業種ごとの動き、注視する点へという順番を書き、Notion AI のチャットから呼び出して、対象の月と拠点を指定します。
試作の段階で拠点ごとに確かめると、AI が挙げた日報の件数は実データと一致し、まとめに出た社名や機種名など約120語を照らすと、AI が表記を直した1語を除いて、すべて元の日報のとおりでした。
拠点の責任者は、上に市場の動きの表、下にその拠点の実績が並ぶ画面で、実績を見ながら市場の動きを記入します。
3. 実績の数字を、定義を決めて毎日数える
受注台数と引合件数(見込みのお客様からの問い合わせや見積の依頼の件数)は、Salesforce の商談から毎日数えてダッシュボードに出します。受注台数は受注が確定した日の月、引合件数は引合が発生した月で数えると定義を決めました。
毎月決まった日には値を記録として残し、後からデータが変わっても、その時点の数字を見られるようにしています。
4. 配布用の PDF を、誰が出しても同じ形にする
海外の責任者の方などへは PDF で配布します。指示書を呼んで報告月を送るだけで、同じ形の PDF ができ、出力の記録の表に1回1行でたまります。資料の数を直したいときは、直す値をチャットで一緒に伝えられます。
難しかったこと
日報を担当者の所属で分けると、異動で市場の動きが混ざる。 担当者の所属を基準にすると、異動の前後で別の拠点の話が混ざります。そこで、日報に紐づく取引先の地区で拠点を決めました。調べた時点の日報 約600件は、すべてに紐づく取引先が入っていました。
数字は AI に数えさせない。 チャットの指示だけで PDF を作ると、人によってレイアウトが変わります。数はプログラムが毎日数えて表に書き、AI はその行を写すだけにしました。PDF を作る前に、行の数や内訳の合計、全体の合計と拠点の合計の和を照らし、合わなければ AI に写し直させます。
日々動く数字は、どの時点の値かを決める。 進行中の引合の件数は、資料を出す日によって変わります。推移の図は、毎月、会議の前の決まった日に残した記録を月ごとに並べ、図の下に各月の値の時点を書きました。出す日によって数が違っても、理由を資料の中で確かめられます。
納品物
日報・取引先・商談の同期のプログラム、市場の動きのまとめの指示書、市場の動きの表と AI のまとめの表、拠点ごとの実績のダッシュボード、毎月の記録の表、PDF の出力の指示書と出力の記録の表です。
その後
10月の営業会議から、Notion の事前資料が正式に使われることになりました。10月報告分では、全拠点の市場の動きが Notion の表に記入されています。その後もお客様のご要望を受けて、推移の図の範囲や画面の形を直しています。
Notion で頼めることの全体は、Notion の構築と開発にまとめています。
同じ型が効く業務
CRM の記録を読んでまとめ直す定例の資料は、営業会議に限りません。部門の月次報告、案件の進捗の会議、顧客ごとの振り返りなども同じ形です。
この案件で効いたのは、人のまとめを置き換えずに AI のまとめと並べたことと、数字と文章で作り方を分けたことでした。数字はプログラムが数え、文章のまとめを AI と人が受け持つと、確かめる場所がはっきりします。
