ホーム / ナレッジ / 上場3,817社の有価証券報告書をAIで分析|人手不足・人材確保は60.6%、そのうち対策にAIは7.1%
上場会社3,817社の有価証券報告書をAIで読み、人手不足・人材確保をリスクとして書いた会社と、その対策としてAIの活用を書いた会社を数えた調査の詳細です。従業員の規模別・業種別の全集計、記載の例、調査の方法を載せています(2026年10月)。
著者: 村山 悠太(ゴムマリ) 最終更新: 2026年10月

この記事でわかること
2025年10月から2026年10月までに提出された上場会社の有価証券報告書3,817社分をAIで読み、人手不足・人材確保をリスクとして書いている会社と、その対策としてAIの活用を書いている会社を数えました。読んだのは「事業等のリスク」と「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載です。人手不足・人材確保をリスクに挙げた会社は2,315社(60.6%)で、そのうち対策にAIの活用を書いた会社は164社(7.1%)でした。AI以外の自動化・省人化まで含めても412社(17.8%)です。
このページは、この調査の詳細です。従業員の規模別・業種別の全集計と、調査の方法を載せています。
上場会社3,817社の有価証券報告書の「事業等のリスク」のうち、自社に必要な人手・人材が不足する・確保できない、または人材の確保・採用・育成をリスクの項目として書いた会社は2,272社(59.5%)、取引先や業界の人手不足が自社に及ぶことだけを書いた会社は43社(1.1%)で、合わせて2,315社(60.6%)でした。
この2,315社のうち、「事業等のリスク」か「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、人手不足への対応や、人手を補う・減らす目的でAIの活用を書いた会社は164社(7.1%)でした。AI以外の自動化・省人化・ロボット・デジタル化まで含めると412社(17.8%)です。

従業員の規模で4つに分けると、人手不足・人材確保をリスクに挙げた会社の割合は、300人未満で66.6%と最も高く、1,000〜4,999人では54.2%でした。一方、そのうち対策にAIの活用を書いた会社の割合は、規模が大きいほど高くなりました。300人未満の5.3%に対し、5,000人以上では10.5%と約2倍です。

規模ごとの社数と割合は次のとおりです。従業員の規模は有価証券報告書に記載された従業員数で分けており、従業員数の記載が無い2社を除いた3,815社の集計です。各行の見出しの下の社数は分析した会社の数で、「そのうち」の2列は、人手不足・人材確保をリスクに挙げた会社のうちの割合と社数です。
| 従業員の規模 | 人手不足・人材確保をリスクに挙げた | そのうち対策にAI | そのうち対策にAI・自動化 |
|---|---|---|---|
| 300人未満 1,181社 |
66.6% 787社 |
5.3% 42社 |
9.4% 74社 |
| 300〜999人 1,063社 |
59.9% 637社 |
6.4% 41社 |
16.6% 106社 |
| 1,000〜4,999人 1,026社 |
54.2% 556社 |
8.3% 46社 |
24.5% 136社 |
| 5,000人以上 545社 |
61.1% 333社 |
10.5% 35社 |
28.5% 95社 |
業種ごとの社数と割合は次のとおりです(分析した会社の多い順)。100社以上の業種では、人手不足・人材確保をリスクに挙げた割合が高いのは、情報・通信業(617社中510社・82.7%)とサービス業(561社中436社・77.7%)でした。人手不足・人材確保を挙げた会社のうち、対策にAI以外の自動化・省人化まで含めて書いた割合は、建設業(挙げた82社中29社・35.4%)と食料品(挙げた68社中23社・33.8%)で高くなりました。
| 業種 | 人手不足・人材確保をリスクに挙げた | そのうち対策にAI | そのうち対策にAI・自動化 |
|---|---|---|---|
| 情報・通信業 617社 |
82.7% 510社 |
7.3% 37社 |
7.8% 40社 |
| サービス業 561社 |
77.7% 436社 |
9.6% 42社 |
15.1% 66社 |
| 小売業 328社 |
61.3% 201社 |
4.0% 8社 |
25.9% 52社 |
| 卸売業 303社 |
48.2% 146社 |
6.2% 9社 |
16.4% 24社 |
| 電気機器 230社 |
53.9% 124社 |
5.6% 7社 |
13.7% 17社 |
| 機械 212社 |
47.6% 101社 |
4.0% 4社 |
14.9% 15社 |
| 化学 201社 |
53.2% 107社 |
4.7% 5社 |
21.5% 23社 |
| 建設業 149社 |
55.0% 82社 |
9.8% 8社 |
35.4% 29社 |
| 不動産業 130社 |
61.5% 80社 |
3.8% 3社 |
12.5% 10社 |
| 食料品 126社 |
54.0% 68社 |
10.3% 7社 |
33.8% 23社 |
| その他製品 111社 |
45.9% 51社 |
5.9% 3社 |
19.6% 10社 |
| 金属製品 88社 |
37.5% 33社 |
6.1% 2社 |
39.4% 13社 |
| 銀行業 83社 |
37.3% 31社 |
6.5% 2社 |
9.7% 3社 |
| 輸送用機器 81社 |
46.9% 38社 |
5.3% 2社 |
15.8% 6社 |
| 医薬品 81社 |
58.0% 47社 |
2.1% 1社 |
6.4% 3社 |
| 陸運業 61社 |
70.5% 43社 |
14.0% 6社 |
48.8% 21社 |
| ガラス・土石製品 52社 |
44.2% 23社 |
8.7% 2社 |
30.4% 7社 |
| 精密機器 52社 |
59.6% 31社 |
0.0% 0社 |
12.9% 4社 |
| 繊維製品 47社 |
34.0% 16社 |
0.0% 0社 |
12.5% 2社 |
| その他金融業 43社 |
53.5% 23社 |
13.0% 3社 |
13.0% 3社 |
| 鉄鋼 38社 |
57.9% 22社 |
4.5% 1社 |
54.5% 12社 |
| 倉庫・運輸関連 34社 |
52.9% 18社 |
27.8% 5社 |
44.4% 8社 |
| 証券、商品先物取引業 33社 |
45.5% 15社 |
6.7% 1社 |
6.7% 1社 |
| 非鉄金属 32社 |
53.1% 17社 |
11.8% 2社 |
41.2% 7社 |
| 電気・ガス業 27社 |
48.1% 13社 |
15.4% 2社 |
23.1% 3社 |
| パルプ・紙 24社 |
33.3% 8社 |
12.5% 1社 |
37.5% 3社 |
| ゴム製品 17社 |
29.4% 5社 |
0.0% 0社 |
20.0% 1社 |
| 保険業 15社 |
60.0% 9社 |
11.1% 1社 |
11.1% 1社 |
| 水産・農林業 11社 |
63.6% 7社 |
0.0% 0社 |
57.1% 4社 |
| 海運業 11社 |
27.3% 3社 |
0.0% 0社 |
33.3% 1社 |
| 石油・石炭製品 9社 |
11.1% 1社 |
0.0% 0社 |
0.0% 0社 |
| 鉱業 5社 |
20.0% 1社 |
0.0% 0社 |
0.0% 0社 |
| 空運業 5社 |
100.0% 5社 |
0.0% 0社 |
0.0% 0社 |
社数が少ない業種は、1社の違いで割合が大きく動きます。割合は、分析した会社の数とあわせて読んでください。
人手不足への対策としてAIの活用を書いた記載から、いくつかを業種とともに紹介します(社名は伏せています)。
ここからは、上の結果をもとにした当社の見解です。
上場会社の6割が人手不足・人材確保をリスクとして書いている一方、その対策としてAIの活用を書いた会社は、そのうちの1割に届きませんでした。ただし、有価証券報告書に何を書くかは各社の開示の判断であり、書いていないことは、AIを使っていないことを意味しません。
規模による違いは、人手不足の感じ方と、対策に回せる手の差として読めます。人手不足を挙げた割合が最も高かった300人未満の会社(66.6%)は、AIを対策に書いた割合が最も低い層(5.3%)でもありました。人が足りない会社ほど、新しい仕組みを入れる担い手も足りない、という構図がうかがえます。
当社は、人が足りないまま回している定型の業務を一つずつ読み解き、AIエージェントに任せる仕事をしています。医薬品の会社の記載にある決算の自動化のように、AIに任せる単位は「業務一つ」から始められます。
人が足りないまま回している定型の業務は、AIエージェント導入で、業務を1本ずつAIエージェントに置き換え、月額の運用で回し続けます。減った時間は実測でご報告します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年10月15日(分析を行った期間) |
| 調査機関 | 自社調査(ゴムマリ株式会社) |
| 調査対象 | 2025年10月1日〜2026年10月8日にEDINETへ提出された上場会社の有価証券報告書のうち、各社の最新の1件(3,824社)。このうち「事業等のリスク」の本文を取得できた3,817社を分析 |
| 有効回答数 | 調査対象が人ではないため該当なし(分析した有価証券報告書: 3,817社分) |
| 調査方法 | EDINET APIで取得した有価証券報告書(XBRLをCSVに変換したもの)から「事業等のリスク」と「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の本文を抜き出し、人手不足・人材確保に関する語を含む5,565文と、AI・自動化に関する語を含む4,880文をAI(大規模言語モデル)で判定。会社に該当する文が1つでもあれば、その会社を数えた。無作為に選んだ各150文を別のAIで独立に判定し直し、一致率は人手不足の側98.0%・AIと自動化の側94.7%。AIと自動化の側で該当ありと判定した641文は、すべて別のAIで判定し直し(一致率90.2%)、食い違った文のうち会社の数に関わる37文は当社が全文を読んで決めた |
関連する語を含まない言い回しで書かれた記載は数に含まれないため、割合は実際の記載より低めに出ている可能性があります。AI・自動化に関する文は、人手不足・人材確保に関する語が出る2,380社の記載から抜き出しました。従業員の規模別の集計は、従業員数の記載が無い2社を除いた3,815社です。
出典:EDINET閲覧(提出)サイトをもとにゴムマリ株式会社作成、公共データ利用規約 第1.0版
本調査の業種別の集計についてのお問い合わせ、または、人が足りない業務をAIに任せるご相談は、対象の業務(例: 毎月の請求書の処理、問い合わせの一次対応)を添えてお問い合わせフォームからお送りいただくと、進め方を具体的にご案内できます。
国産大手ERPベンダーで新卒からERPのエンタープライズ営業・プリセールス・導入コンサル、外資系SaaSでパートナーセールス部門の立ち上げ、国内大手放送局で新規事業開発(通販カタログ事業)、AIスタートアップ2社でビジネスサイドの要職を歴任。2024年10月から生成AIを自ら実装し、2025年にゴムマリ株式会社を設立。
現在は自らAIエージェントを実装するFDE。評価セット設計・専門家監修・Go/No-Go判定、CRM・会計・社内DBとの統合、減った時間の実測まで一貫します。要件から、運用まで——AIエージェントが、現場で成果を出す仕組みを。