課題
製造現場の異常処理は1件ずつ記録されているが、過去分をさかのぼって全件を再点検する人手はない。個々の対応で閉じてしまい、「損失がどこで生まれているか」の全体像が見えていませんでした。
やったこと
異常処理データを全件、同じ基準で再判定。人手のサンプリング点検では拾えない頻度・偏り・連鎖を洗い出し、損失につながる要因を特定しました。
難しかったこと
どれにも当てはまらない案件が、最大の要因に見えた。 自由記述からキーワードで分類したところ、ほかに当たらない案件が優先順位の低い分類へ流れ込み、そこが最も損失の大きい要因のように出ました。お客様の指摘で気づき、元データにある人手の分類を正として全件を判定し直しました。
同じ案件でも、出どころによって値が違う。 対象ごとに比べるには納入台数という分母が要りますが、受け取ったデータには集計期間の定義がなく、同じ対象でもファイルによって違う値が入っていました。数字を出す前に確認事項として戻し、定義が決まるまでは暫定と明記しました。
全件に分類を付け切ることと、正しく付けることは違う。 迷うものを無理に当てはめると、分類そのものの意味が崩れます。当てはまらないものは保留として残し、判断が要る箇所だけを絞ってお客様側で決めていただく形にしました。
納品物
全件の再判定結果と、損失要因の分析・提言。経営層への報告資料まで仕上げて納品しました。
その後
特定した要因への対処と並行して、業務のエージェント化への接続を進めています。
同じ型が効く業務
「1件ずつは対応しているが、過去分をまとめて見直せていない」記録は、製造現場の異常処理に限りません。当社の経験では、修理・保守の受付履歴、クレームや事故の報告書、システムの障害記録など、自由記述で一件ずつ残る記録が同じ形になります。
この案件では、新しく分類を起こす前に、元データにすでにある人手の分類を確かめたことが分かれ目でした。自動で付けた分類は、当たらなかった案件の受け皿になりやすく、そこが最大の要因のように見えてしまいます。既存の分類と突き合わせる工程を持つほうが、結論は安全でした。
一件ずつは対応していても、過去にさかのぼって全部を見直す時間はありませんでした。全件を同じ基準で見てもらったら、抜き取りでは気づけなかった偏りが出てきました。どこで損失が出ているのかを、感覚ではなく数字で議論できるようになったのが大きいです。
— ご担当者 お客様の声
